教育理念

OCGは、カリフォルニア州立大学ロングビーチ校とパロス・べルデス高校から、継承語としての日本語教育と外国語としての日本語教育を専門とするエキスパートの先生方をカリキュラムアドバイザーとしてお迎えし、効果的で画期的な日本語教育に取り組んでいます。多様な言語環境の家庭で、言葉と文化を習得し、バイリンガル・マルチリンガルに育っていく子供たちを言語・文化などの教育の面からサポートしていくのがOCGのミッションです。

OCGが一番大切だと考える教育理念は、子どもたちが「楽しく学ぶ」ということです。「楽しい」だけ、「学ぶ」だけでは十分ではありません。子供たちがクラスで学んでいることが理解でき、達成感を感じ、さらに勉強したいと思えるとOCGに来ることが楽しくなります。そのためには、カリキュラムが子供たちの年齢・考える力・興味にあったもので、子供たち全員が学んだことを理解できるものであることが大切です。

OCGでは「子どもたちが楽しく学ぶ」というこのゴールに向かって教師・理事・保護者・アドバイザーが一緒に歩んでいます。

アプローチ

OCGでは子どもたちの言語背景からくる学習ニーズの多様性に答えるために、外国語としての日本語のアプローチを使ったカリキュラムと、継承日本語のアプローチを使ったカリキュラムがあります。この2つのカリキュラムのうちのどちらが子どもたちに適しているかを決めるときは、家庭で日本語が話されていて家庭が日本語学習のリソースになるか、そして子どもたちがどのぐらい日本語を話すかということで判断します。

OCGでは、「収穫祭」「お菓子屋敷」などの児童・生徒が、自分たちのためのファンドレージングのために、学校全体で取り組み、学ぶというプロジェクト型言語学習のアプローチを取り入れています。プロジェクトの目標達成のために協働で計画を立て、実行し、結果を確認するというプロセスの中で、話す、聞く、読む、書くの日本語の4技能を統合的に学び、自ら考える力とお互いに協力をする力を養っていきます。また各学年、各クラスでは、実験・工作・料理などのハンズオンを取り入れ、見る・聞く・触る・味わう・嗅ぐという5感で学ぶ授業をしています。「言われただけだとすぐ忘れる。見せてもらったものは、覚えているかもしれない。でも、自分が参加して経験したことは、学ぶ」という中国の思想家の荀子の言葉に通じる学習活動です。

生涯を通しての日本語学習

生徒は、授業の内容が普段の生活に基づいていて、子供の興味の対象であり、能動的であると内容がより良く身に着きます。 当校のカリキュラムは子供達の生活に関連のあるテーマに沿って話題を広げていくという学習法をとっています。 そのテーマの例は、日本・アメリカでの家族、家庭生活、学校生活、遊びやスポーツ、食べ物、健康や体、自然環境などです。継承日本語のカリキュラムの 多くのテーマは現地校での学習内容と重なるものがあり、相乗効果で子供達の理解を深めていきます。

授業はテーマにそって、その内容に関連のある日本語の語彙を増やし、漢字を習い、文法を習うという方法をとっています。 生徒はクラスの中で、テーマに関するビデオを見たり本を読んだりした後で、その内容を話しあったり、書いたり、 プレゼンテーションをしたりと色々な学習活動を通して日本語の習得を目指します。

このように、OCGでは、言語教育学、教育心理学の研究に裏付けされた日本語教育に取り組んでいます。そして、自分で考える力を養うことで、自律した学習者となり、楽しく学ぶ経験を通して生涯日本語を学んでいきたいという生徒を育てることを目指しています。

効果的な学習教材の開発

当校で使用されている教科書や教材はOCGの教育理念とアプローチに全て基づいています。 JHLコースでは、当校オリジナルの教科書を作成して使っています。OCG出版のJHLコースの教科書には「けんけんパ」(ダグラス 2010), 「ホップ、ステップ、ジャンプ」(岸水 2011)があります。JFLコースの小学部では、「じゃんけんぽん」( 片岡他 1999) を使っています。JFL高校レベルでは、「エリンが挑戦!日本語できます」(国際交流基金, 2007)や「ドラえもんのどこでも日本語」(稲原他 2009) を使っています。

 

教育効果の向上のために

OCGでは、カリフォルニア州立大学ロングビーチ校、パロス・べルデス高校から迎えたアドバイザーがクラスの担任または共同担任をしたり、毎週クラスのオブザベーションをしたりとOCGキャンパスに常駐しています。

またOCGは、教師研修のサポートを積極的に実施しています。アドバイザーによる学内での定期的なワークショップに加えて、学外の研修会への参加を奨励するため研修会費用のサポートをしています。また、学校と家庭とが協力して教育効果をあげるため、アドバイザーによる保護者のためのワークショップも定期的に実施しています。