教育理念

OCGはカリフォルニア州立大学ロングピーチ校の教育エキスパートの先生方をカリキュラムアドバイザーとしてお迎えし、効果的で画期的な日本語教育に取り組んでいます。 OCGに日本語教育法のアドバイザーとして参加いただいている方々は、アメリカ全土の学術会でも名の通った、”ヘリテージ教育”のエキスパートです。 ヘリテージ教育の対象者というのは、日本に住む日本人の生徒とアメリカに住む、日本や日本語との何もつながりのない生徒とのちょうど中間点にあたり、 当校の生徒の大部分がこの”ヘリテージ教育”の対象です。

アドバイザーの方々は、様々な経験レベル対象の日本語教育の教材やカリキュラム作りを数多くこなしてきたご経験があり、今回OCGでも新たなカリキュラム作成のためにご尽力くださいました。 アドバイザー皆様のご協力により、OCGはこれからも地域一の日本語教育を目指してがんばっていきたいと思います。

総的な語学学習法。

日本語をアメリカで学習するには、日本語での日本語教授法は使えないということが ロングピーチの学習法の原点です。 日本で暮らす子供達は毎日の生活のなかで日本語環境に囲まれており、自然に語彙や文法を身につけていくことが出来きるので、学校ではその既にある知識に、漢字やかなでの読み書きを教えていくことができます。 しかし、ここでは、たとえご家庭内が全て日本語であっても、子供達は英語が生活の中心になっていて、日本語環境に取り囲まれるという体験はあまりありません。

よって、口語を読み書きと同時に進行させることで、日本語語学全体を総合的に学習していく方法をとっています。 また、文章を教科書から写して覚えたり、漢字の書き取りを繰り返すという学習法は学習意欲をなくすことが多く、 効果がみられないために当校では取り入れていません。

もう一つの特徴は、生徒が受身で授業を受けるのではなく能動的・行動的な学習法目指していることです。 授業にはテーマに沿った実験や製作を取り入れたり、小さいグループに分かれての討論や発表をします。 また、宿題もテーマによって例えば家族にインタビューをして書き取ったりというものです。

生涯を通しての日本語学習。

生徒は授業の内容が、普段の生活に基づいていて、子供の興味の対象であること、そして能動的であるとより良く内容が身に着きます。 当校のカリキュラムは子供達の生活に関連のあるテーマに沿って話題を広げていくという学習法をとっています。 そのテーマの例としては、日本・アメリカでの家族、家庭生活、学校生活、遊びやスポーツ、食べ物、健康や体、自然環境等です。 多くのテーマは現地校での学習内容と重なるものがあり、相乗効果で子供達の理解を深めていきます。

授業はテーマにそって、それに関連のある日本語の語彙を増やし、漢字を習い、文法を習うという方法をとっています。 生徒はクラスの中で、テーマに関する本を読んで話しあったり、作文を書いたり、 プレゼンテーションをしたりと色々な学習法を通して日本語を無理なく習得することが出来ます。

このように、ロング・ビーチ学習法は斬新なアイディアと長年にわたるリサーチに裏付けされた日本語教育への取り組みです。 当校の学習は他の学校に比べて簡単だということはありません。 しかし、他の学校に比べてより楽しい学習法であり、卒業した後も、生涯を通して日本語を学んでいきたいという生徒を育てることを目指しています。

効果的な学習教材の開発。

当校で使用されている教科書や教材はこの学習法に全て基づいています。 JHLコースでは、当校オリジナルの教科書を作成過程中です。一年目は、アドバイザー方が「けんけんパ」という教科書を書きました。 二年目は、当校の中心的JHL教師達が、アドバイザーの監修で、次の教科書を書きました。そのシリーズは、「ホップ、ステップ、ジャンプ」です。ついに今年は、3シリーズ目の「ことばのちから」を完成させています。

JFLのクラスでは、当校のメイン・アドバイザー、片岡裕子教授共著の「じゃんけんぽん」から教材を使っています。 この教科書はOCGと同じ教育理念に則ったものです。

高校クラスでは国際交流基金(ジャパンフォウンデーション)が作った「エリンの挑戦!日本語できます」という教材を使用しています。 

効果的な教え方の強化。

過去三年間、ロングビーチのアドバイザー達は、毎週の様に我が校を訪れ、先生達を観察し、批評や指針を示して下さっています。 先生方が教室でカリキュラムに則った教え方を常にしていくのに、アドバイザー達はかけがえのない力となっています。常に教師のトレーニングに余念のない学校というのは、当校だけだと自負しております。

OCGは教師達のトレーニングのサポートもしています。 毎年、加州日本語教師協会主催の教師トレーニング・ワークショップには、全教師が参加しています。 また、OCG主催やアドバイザー達による様々なワークショップにも先生達は積極的に参加しています。